ギリシャ語オタクで通してきた私が、再度ラテン語を勉強しています。
現在はカエサルのガリア戦記の講読に参加しています。
ギリシャ語仲間や先生にも驚かれ(?)、理由をあげようと思えばいくつかあるのですが、1つはローマの歴史を紐解いていくと、ギリシャ世界よりも現代社会と通有する部分が多いためです。私も本業では一応経営的なことをしている身ですから、現実社会や市場といった厳しい世界に対峙せざるを得ず、そこで通用する指針を自分の身に深く刻み込む必要があります。
今更ですが、どうしてもギリシャ世界というのは、悪く言うと、頭でっかちで、いかにもエリートが好む理念(真理や美など)やそれに向き合った人々を美しく奉りがちなのですが、そのために世界観が閉鎖的で可能性を自ら狭めている感は否めません。
自分が今行っていることやこれからの現象への向き合い方を考える際、現実にこれほどまでかと根ざし続けたローマからヒントを得る部分は少なくありません。
なぜ西洋古典学がギリシアだけでなく、必ずローマを範疇に入れるのか、分かる気がします。
というわけで、道を広げてローマ世界に再度一歩を踏み入れようと考え、その流れの中でラテン語に再度トライをしいる次第です。
ゆくゆくはラテン語の単語帳アプリも作成できればなと思います。ラテン語学習者は、検索ボリュームから考えて、ギリシャ語学習者の2倍程度いると思われますので!これはチャンスですかね。(もっとも、その前にギリシャ語アプリの方のバージョンアップをしなければならないのですが。なかなか手がつけられずすみません。)
ちなみに、ラテン語の教材としては、『標準ラテン文法』をほぼ全員が利用しているものと思われます。
コンパクトで必要十分な文法項目が列挙されているので、慣れている方はこれが最適かと思いますが、私は補助として、『ラテン語とギリシア語を同時に学ぶ』を併用しています。
後者の本、なかなか侮れないですよ。
ギリシャ語との対比の中で、ラテン語文法規則の組織的な位置付けの理解に資する点は素晴らしいとしか言いようがありません。また、平易な文と文例でサクサクと読めますし、間接話法や接続法の使い方の基本は載ってますので、ちょっとした参照にも適しています。読み物として通読もできます。ラテン語入門を終えたばかりのレベルで、ギリシャ語の知識が多少あるのでしたら、ぜひ本書を補助教材として使うと良いのではないでしょうか。もちろん逆の場合もしかりだと思います。
ラテン語の世界、少し時間をかけて探検してまいります。それでは次の記事まで。